最近よくいろいろな界隈で「IPを作りたい」という言葉を聞きます。
寿司業界も無縁ではない話しだと思うので
今回はこの
「IPをつくる」
ことを寿司職人的視点から話したいと思います。
そもそもIPとは何なのか
辞書的な意味では「知的財産」。
発明やデザイン、著作物など、人間の知的活動から生まれた価値のある情報のこと。
なんとも分かりづらい。
そしてこれが寿司職人に関係あるのか?って思いますよね。
僕なりにシンプルに言うと、
IPとはブランド
です。
名前そのものに価値が宿った状態を作ること
これが、IPを作るということだと思っています。
同じクオリティでも、それがヴィトンの製品だったら5倍10倍の値段で売れるんです。
似たような商品でも、ある人が宣伝したら爆発的に売れるということもありますよね?
グッズでも、キャラクターでも、映画でも、店でも人でもIPになり得るということ
です。
IPを作ることができれば、どんな商売も可能性がぐんと広がります。
資本家が絶対ではない時代に突入
ここで、最近思っていることをついでに話したいなと。
これはIPとも関係があります。
資本家とクリエイターの関係性についてです。
ほんの数年前まで、資本家が絶対だった時代から
少しずつクリエイターへ主導権が移っているように感じます。
寿司屋でも、以前はオーナーの言うことは絶対!!!!!
常に会社の方針に従うというのが普通だったと思います。
しかし、いまの時代はちょっと違います。
オーナーサイドがすごく寿司職人に気を遣っているなーという印象です。
気を遣われている職人と遣われてない職人、その違いは?
しかし、これ全員ではないです。気を遣われている人といない人がいます。
違い分かりますか?
クリエイターかプレイヤーで分かれます。
寿司職人に限らずコンテンツを作れる人、もしくはコンテンツになれる人が強い時代
そして、
SNSのおかげでどんな人でも発信して
ファンを作れる時代になっていることが大きいと思っています。
資本家よりもクリエイターが強いというのは昔から一部ではあったと思います。
芸能の世界でも音楽の世界でもスポーツの世界でも飛び抜けたスーパースターというのは、時にはオーナーをも上回る影響力を持っている場合があったのではないかと。
しかし、今の時代はそこまでにならなくてもSNSを駆使してファンを増やして小さくない影響力を持っている人がいろいろな界隈にいます。
クリエイター、発信力のある人はどんどんIPを作っていけるし、
そうでない人は取り残されます。
寿司職人としての生き残り戦略
少し話しを戻します。
では今の時代、寿司職人としてどう生き残るか?
一昔前は修行先の店の中で評価されないと芽を出せなかったと思います。
しかし、その店で一人前になるのに何年かかるのか?
上がつまっていたらその分時間はかかる。
ある種ギャンブル的でかなり店への依存度が高かったと思います。
しかし、今はというとまだ見習いでも発信力を持ってファンを増やしている人がたくさんいます。
特に若い女性の寿司職人が目立っていますね。
パフォーマンスをしたり、まだ若いのにカウンターで握っている人もSNSでよく見ます。
この人達というのは店に依存していないんですね。
ファンが多ければうちに来て欲しいと思う寿司屋オーナーは多いと思います。
これが寿司職人がIPになっている状態です。
もちろん昔からこのような状況はありました。
小僧でもテキパキ動いて、元気で明るくて、お客さんに好かれてあの店のあの若い子いいよねって話題になる人はいました。
これもファンがついてIP化していると言えるでしょう。
SNSのバズとバグ
しかし、今の時代はSNSの影響でこのIP化がバグっている状態です。
良いか悪いかではなく
みなさんは
そのような時代に寿司職人として存在している
ということです。
これはここ数年の変化です。
なので先輩方には到底教えてもらえないことです。
自分で気づいて変化についてこれる人だけが
より良い条件で働けたり上へのし上がっていける時代です。
従来の正攻法だけでなく
いろいろな戦い方をしてくる人がいる中で
自分がどのように存在価値をしめせるかをよく考えること
が重要です。
SNSをしろ!!!と言っているわけではありません。
時代を読み解き自分の頭でどう人生の舵をきっていくかを考えなければいけません。
ちなみに第一線の寿司職人の親方の多くはSNSをやっていません。
しかしIPはすごいですよね。
その人の名前で店を出させてくれという海外からの依頼がたくさん来ます。
すごい額の契約金を聞いたこともあります。
その人たちのIPとは、毎日寿司に向き合いその評価を積み重ねただけで、
お客さんが作りあげていったものです。
物が良ければお客さんが勝手に発信してくれるんですね。
IPというのは結局は世間の評価です。
いくら発信力があってもそこに世間の評価がなければIPにはなりえません。
そこは勘違いしないでください。
最後にまとめると
これからの時代は
自分自身をブランド化できるか
が大きなテーマになっていくと思っています。
その上であえて僕の意見を言うと。
発信力はあった方がよい。
技術は大前提。でも発信できた方がよりよいということ。
- どんな人間なのか?
- どういう哲学で寿司を握っているのか?
- なぜ寿司職人になったのか?
物語や世界観を表現することでファンはつきます。
そして、IPを作れるといろいろなビジネス展開が期待できるようになります。
- 新店舗
- コラボ
- 商品開発
- 本
- メディア
- イベント
- 海外展開
人によってはSNSを毛嫌いしている人も多いと思います。
自分でもやらないし世間に自分が晒されるのも嫌という人も多いでしょう。
それは個人の考えなので否定しません。
『誰が作っても同じ』から抜け出し、『この人だから食べたい』を作ること
それは長期的にビジネスを安定させ、広げていくための土台になる
時代を読み解き、決して悲観せず、
自分の強みを活かしていかに戦略をもって戦っていくかを考えるという事が大事です。