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アメリカのチップ制度について【前半】

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今日はアメリカのチップ事情について書きたいと思います。

この記事は、2025年に予定されているチップ制度の法改正前に執筆したものです。

トランプ政権の公約の一つに「チップを非課税」にするというものがあり
まさに今審議されています。

また、ここ数年でアメリカで取り入れられた「サービスチャージ」に関しても
今後記事にしようと思います。

ルール変更後の影響についてと合わせて、「チップ」と「サービスチャージ」についても記事にしたいと思っています。

経営者と消費者の両視点から深堀りしています。
是非最後まで読んでもらえると嬉しいです。

まずは消費者の立場として

日本ではチップを気にして生活することは無いですよね。

本当に羨ましいです。

アメリカでは生活のかなりの局面においてチップが絡んでくるので面倒な上に、
出先なんかで丁度いい現金を持っていなかったりする時に困ったりもします。


現金チップを払う局面もまだまだ多いのでチップ用の現金を持ち歩いています。

私がアメリカへ来たばかりの頃、とあるレストランで食事をした後にカードで支払いを済ませたんですが、チップの欄に何も書かずに出てしまったことがありました。

もちろん悪気はありませんでしたが、サービスを担当してくれた人
(アメリカではサーバーと言います)が外まで追いかけてきました。

書き忘れてます!と。

日本人の感覚ではそこまでするのかとびっくりすると思いますがこっちでは普通です。
私はそれ以来チップにはかなり気を使っています。

私が渡米した2016年、ニューヨークのほとんどのレストランではチップは任意で書き込むスタイルでした。


0もありえるし(実際に0だと多分追いかけられます笑)
正直、計算が面倒だな(特に酔っ払った後は)と不便を感じていました。

今ではチップの目安の額がパーセンテージに応じて書かれています(レシートにチェックする欄がある場合も多いので便利です)

タブレットで18%20%25%みたいにタップするシステムになっているところも多いです。(その場合、フルサービスのレストランではno tip の選択肢が無いところがほとんどです)

チップ文化の変化と問題点

チップというのは本来良き文化でもあるのですが、コロナ以降行き過ぎているレストランも多く消費者からは不満が高まっています。

コーヒーショップやサービスの無いファストフード業態でもチップを求めてくるところが増えました。


その背景に、コロナで飲食業態が大打撃を受けたこともあり救済の感情で受け入れられたものです。

しかし、ちょっと行き過ぎじゃないかということでチップの是非を問う人がにわかに増えてきています。

私の中でチップは制度と文化の間にあり、曖昧なことが多いという印象です。
人によって払う額も払う線引きも異なります。

私が渡米した当初は、フルサービスのレストランで

ランチでは15%くらい、
ディナーでは18%が目安でした。

今ではランチ、ディナー問わず20-25%払わないといけない空気感があります。

高すぎませんか?
アメリカ人もそう思っています。

チップとはそもそも何なのか?

受けたサービスに満足した場合に謝礼の意味を込めてサービス従事者に手渡されるもの

受けたサービスに満足した場合に謝礼の意味を込めてサービス従事者に手渡されるものです。


支払う側の思いから生まれた文化です。

アメリカでは黒人差別が原因でチップが普及!?

ヨーロッパで始まったチップ文化ですが、アメリカで普及した背景には黒人差別の影響も大きかったと言われています。

白人オーナーが黒人の従業員に給料を払いたくないからお客さんからチップをもらえと。

それがヨーロッパのチップ文化と相まってうやむやに広がり良き文化として受け入れられたそうです。

諸説あります。これが真実かどうかは分かりません。

非課税から課税対象に!国の財源となったチップ

90年代に入り、それまで非課税だったチップは課税対象になり、文化を超越したものになりました。

国家の財源になりえる額になったんですね。

ここから法整備も進み、チップに対するいろいろな制度も生まれてきたらしいです。
(先輩方から聞いた話しなので歴史において細かい裏付けは無いです)

チップありきで給料の額が決まる現在

現在では

チップが当たり前になってしまっているのでその見込み額で給料が決められたりもします。

本末転倒ですよね。

ここで経営者の立場からも意見を言いたいと思います。

助かってます。これが本音です。

チップが無かったら従業員の生活をカバーするのは大変です。チップがあるから人件費を抑えられて従業員もハッピーにすることができるんです。

分かりやすく言うと、

従業員の給料の一部をお客様が肩代わりしているんです。

ここでおかしいと思うのが普通の人間だと思います。

なんで従業員の給料をこっちが負担すんだよと。売り上げでやりくりしろよと。

この考え方が広まった背景には日本文化の影響も大きいと個人的に思っています。

感謝の意を示すチップ、受取りを拒む日本人

日本は近年、世界でも人気な観光大国になりつつあります。
アメリカ人が日本に行って体験すること。

チップもないのに・・・

なんでこんなにサービスがいいの???

食べ物が美味しい、ゴミが落ちてない、安全などはもちろんですが

感動したのでチップを払いたいアメリカ人は多いでしょう。

でも日本人は受け取らないんです。

いえ、これが私の仕事ですから。
お金のためにしたわけではありません。

私が銀座で修行していたころ、1番尊敬していた先輩は英語も話せたのでよく海外の方を担当していました。

スキルもあり人間性も素晴らしいのでお客様からよくチップを手渡されそうになっていたんですが、受け取ったことを見たことがありませんでした。

(冗談で)また来月来た時に使ってくださいと

いや、アメリカからだから来られないよと

来るんでしょー?(笑)と

笑って別れるんですね。

この先輩はすごすぎますが、日本人のサービス従事者の平均レベルはアメリカの何倍もすごいです。(アメリカ人にはスーパーな人もいますが、平均値はかなり低いです)

日本から帰国、自国のサービスクオリティに愕然とする外国人が増えている

その人達がアメリカに帰って思うこと。

日本と違ってこんなに態度の悪いレストランのサーバーになんでこんなにチップを払わなければいけないんだ?(しかも半強制的に)

近年のSNSの普及からこういった体験や考えはすぐに広がりますよね。

どちらが正しいかというと、日本だと思います。
より健全ですし、お金を超越した気高さも感じます。

しかし、経済的にどちらが良いかを問うとアメリカなんですね。

前半はここまでにしておきます。
後半に続きます。

アメリカのチップ制度について【後半】 こちらの記事は、アメリカのチップ制度についての後半です。まだ前半を読んでいない方こちら https://www.tanakay...

最後まで読んでいただきありがとうございました。